ノーリフティング・マネジメントセミナー受講報告
ノーリフティング・マネジメントセミナーA(5‣31開催)
~組織に導入するにあたり何から取り組めばいいのか~
主催は、一般社団法人ナチュラルハートフルネットワーク
第1回目となるオンラインセミナーを受講
講師は、同法人代表の下元佳子先生
ありがとうございました。
オンラインセミナーは新たなチャレンジ
「コロナ禍」においても
「腰痛予防対策=ノーリフティング・マネジメント」
医療・介護・福祉職場の労働環境改善の歩みを決して止めないチャレンジです。
オンラインセミナーはA・B・Cのコースがあります。
※詳細は下記のナチュハHPをご参照ください。
🔴「セミナーA」の目的と対象
「組織にノーリフティング・マネジメントを導入するために何から取り組むべきか」
導入が進まない組織では、必ず間違えていることがあります。
「ここが間違えているから組織体制づくりが上手くいかない」
今日は「上手くいかない原因」をしっかり学びました!
「セミナーA」の受講対象者は
スタッフよりも「組織のリーダー」です。
管理者自身が、自らの組織の到達点を分析し欠点を認識すること。
ノーリフティング・マネジメントを導入する「目的」をしっかりと理解すること。
日常的に行われている「人材育成や教育、事業方針や計画」を遂行するための会議・委員会・研修会の運営と同じです。
スタッフがいきいき働いている職場の共通点は
組織のリーダーが「事業の目的と方針」を理解し説明責任を果たし
その目的を理解し、専門性を発揮しながら頑張る職員を大切に育てることに気づいているというところです。
そういう職場の背景には、「リスクの芽」や「気づき」が事実に基づき集められ、科学的な検証がされ、常に軌道修正が行われています。
いまの医療や介護・福祉職場は、1人の管理者や職員が何役もこなす、自己犠牲が主流ですから、悲しいことに最近では「いきいきと働いている職場」に出会ったことがありません。
🔴ノーリフティング・マネジメントの目的は、「職場の安全衛生水準を向上」させること。
そのために、リスクマネジメントを実践する職場風土をつくること。
これは、労働安全衛生の取り組みで、
誰もが安心して働ける職場を意識的に作るということです。
なぜそれが必要なのか? 職員が安心して働ける職場でしか、対象者が安心して医療や介護を受けることはできないからです。
対象者に「力任せの強引なケア」「過緊張を与えない適切な移乗ができない」を繰り返していることは「一か八か」の職場です。
現在の医療・介護現場は
「我が亡き後に洪水よ来たれ・・・」
その渦中の「新型コロナウイルス対策」もそうです。
マンパワー不足が引き金の医療介護崩壊へ
まっしぐらの状況だとしか思えません。
🔴「ノーリフティングが広まらない」理由
定着しない原因は
職員集団で「目的共有を図ること」がきちんとできていないからです。
導入の目的と必要性を組織のリーダーが理解した上で、説明する力が無ければ、推進体制を整えても人手不足の現場からは「時間がかかる」「めんどくさい」との反発しか返ってきません。
その逆で「目的共有」をしっかり行うことで
時間が無くても
「やらなきゃ!」という気持ちへと変化させることができます。
🔴なぜ、日本の産業全体で腰痛労災が1位で
全ての産業の中で医療・介護・福祉職場がダントツ1位を10年以上もkeepしているのですか?
長期にわたって発生している日本特有の「現象」を
科学的にとらえ
その原因を取り除く努力が全くされずに
目の前の予算に縛られているからです。
効率的な経営を最優先する「新自由主義」に支配され
あらゆる産業・分野に市場原理主義が影響を与え
その結果、労働者は「使い捨て」
医療や看護、介護が必要となった対象者の人権保障の概念が欠如しているからです。
これは一部の者たちの利益を最優先する政治体制の下で
地域医療構想が提起され「地域医療計画・医療提供体制」として
計画的に作られています。
ノーリフティング・マネジメントは
労働安全衛生における「組織マネジメント」が最も重要なポイント
これは量的変化からの「質的変化」への大転換を生み出すための
たたかう労働組合の「ものの見方・考え方」そのものです。
今日は、オンラインセミナーを体験して新たな可能性を感じました。
「コロナ禍」の状況でも安全に
地元・自宅に居ながら全国屈指の先生から講義を受けられます。
持ち上げないケアLift not care徳島実行委員会主催
ノーリフティング徳島・第12回セミナー
8月2日(日)再スタート向けて準備しています。
【お詫びと訂正】
下記のセミナー再開予告のファックス番号に誤りがありました。お詫びし訂正します。現在は正しい番号に修正しています。
そして、いつも感じていること
「ノーリフティングは、とても弁証法的で素敵な学問」です。
オンラインセミナー初受講でも感じました。
「新自由主義」によって計画的に作られた「地域医療計画・医療提供体制」ですから、この根源を転換しなければ、私たちがめざす「労働環境改善」や「患者・利用者や地域住民の人権保障」を実現することは難しい。
ですが・・・
徳島県は「病床削減と病院統廃合」「医師・看護師数削減」を柱にした地域医療構想を作成し、医療費への公費支出を抑制したい政府・厚労省方針を前のめりですすめてきました。
その徳島県が、既定路線を変更し「土台から見直し国へ強く要望していきたい」と
回答したことは画期的です。
この回答は5月15日に、「コロナ禍」の下で医療崩壊を防ぐ要請を徳島県に行った際のものです。
下記の写真は四国放送で紹介していただいたものです。
徳島県医労連が発行している組合ニュースをぜひご参照ください。
現在の「コロナ禍」の下で、地域医療を守る労働組合と地域住民の共同行動によって
量的変化から「質的変化」への大転換への兆しが見えてきました。
何も行動しなければ、変わりません。
しかし、
「目的」を持って その実現に向けて
「戦略」を間違わなければ
「変えられないものを変えられます」
私たちは、無理と言われていた国立病院統廃合計画を事実上ストップさせています。
今回は、徳島県が地域医療構想の「土台を見直す」と方針転換を明言しました。
「戦略」を間違わない秘訣は、リスクマネジメントです。
「小さなリスクの芽」「気づき」を共有するところからスタート
誰もが人間らしい生活が維持でき、働き続けられる労働環境となっているかどうか
この視点を持った労働者の育成
職場作りと地域づくり
これが医療・介護崩壊をおこさせない
地域医療を守り、充実させていくために必要な
間違わない「戦略づくり」と「的確な戦術」
ということを感じています。
繰り返しますが、ノーリフティングは弁証法的です。