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福祉用具をつかいこなせる病院・施設では、拘縮の患者がほとんどいなくなる

第2回ノーリフト®セミナーin愛媛参加報告書(松山市6/9実施)

報告者 ノーリフト®徳島実行委員会 事務局長 井上 純

ノーリフティング®を施設に導入するため、どのような取り組みを行ってきたのか。

高知県での取り組みを「生き活きサポートセンターうぇるぱ高知・一般社団法人ナチュラルハートフルケアネットワーク」代表理事 下元佳子先生(理学療法士)の講演を受講しました。

1990年代、医療福祉現場は忙しく、狭い病室のベッドに寝ている老人は拘縮(こうしゅく)だらけ。なぜ?

※第2回愛媛ノーリフト®セミナーでの下元先生の講演資料より

リハビリへのオーダーは関節の可動域訓練ばかり、頑張ってリハビリをしても

やってもやってもなにも変わらない。いや、変わらないどころか

どんどん重度化している・・・

進行性の病気でもないのに、どんどん症状が悪化していく。どうして??

ベッドサイドでのリハビリを頑張って、「少し良くなったな」と思ったあとに

「リハやっと終わったの!!」って、看護師さんがやってきて

強引に車イスに移乗すると・・・  たんの吸引をすると・・・

どんどん「過緊張」になって拘縮が増していく・・・その繰り返しでした。

1993年に下元代表は、カナダのバンクーバーへ視察に行きました。

そこに入院している患者さんにはまったく拘縮がない。ベッド柵もない

ベッドカバーをきれいにかけてあったり

入院環境・施設のあまりの違い、入院患者さんのレベルも表情も違いすぎる…

問題行動を起こす患者がいないという…。下元代表は日本の入院患者の状態を説明しながら質問攻めにしました。バンクーバーの現場スタッフから返ってきた返事は

「日本で問題行動をおこす患者が多いのは入院や生活環境が悪いからでしょ」「寝たきり、拘縮患者が多いのは、ケアの方法が間違っているから」

この答えを理解するのに時間がかかりました。

帰国後に下元代表は「ノーリフト®の必要性を理解すること」を強調

★持ち上げてはいけないということを理解して、その根拠を説明できる人を増やすこと

★基本技術を身に着けること。患者に合わせて技術を提供できるような専門スタッフを増やすこと。技術指導を具体的に説明できるリーダースタッフを増やすこと。

★ノーリフト®が社会に与える事のできる効果、好影響をきちんと考えていくこと

★「持ち上げ、ひきずり、不良姿勢」が、日本の患者の病状を悪化させていること

★「持ち上げ、ひきずり、不良姿勢」が、二次被害を生んでいることに気づかせること。

※第2回愛媛ノーリフト®セミナーでの下元先生の講演資料より

下元代表は、高知県の「ケアの質」を変えるため、人材育成と定着ために活動をされています。

そして、福祉用具をつかいこなせるようになった施設では、拘縮の患者がほとんどいなくなっていく。

身長180㌢を超える力自慢の男性介護士は、現場で「人間リフト」と呼ばれていました。しかし、腰を痛め痛み止めの薬を飲みながらの仕事が続いていました。そのスタッフをノーリフト®リーダーに抜擢し、ノーリフト®を導入推進すると薬を飲まなくて大丈夫なまで回復をしていきました。それ以前の「人力での介護」のままだと、定年まで仕事を続けられる自信はありませんでした。ノーリフト®導入後には、介護の仕事に誇りと希望を持って働き続けられる自信を持つことができました。

★腰痛で痛み止めの薬を飲んでいたスタッフがリーダーになって推進

★用具をつかっている施設には拘縮の患者がいなくなっていく

★腰痛に苦しんでいたスタッフが介護の仕事誇りを持ち、働き続けられる

全ての施設が「できる」と即答します。

なぜでしょうか??  

しかも、人力で「抱え上げる」「持ち上げる」ことがありえなくなっている。

「もう過去には戻るはずがない」と断言しています。

高知県では、ノーリフト®の普及から

「ノーリフト®の定着」という次の段階に入っているそうです。

管理者も現場スタッフも「よく時間がない」と言いますが…

下元代表は、ノーリフト®ケアを導入して何が変わったかを質問してみました。

Q:「時間がなくなってしまいましたか?」「何かを犠牲にしていますか?」

Q:「何かケアが変わりましたか?」

ノーリフト®ケアを使いこなしている施設での答えは・・・

A:「私たちの仕事は何も変わっていないと思います。」ただし…

Q:何かケアが変わりましたか?

A:一番は、患者さんがよくなったことです。

「仕事も楽になって、若いスタッフが腰痛の痛止薬を飲まなくなった」との返事

高知県でノーリフト®を導入している施設がスタッフの求人を1人募集すると、なんと15人の応募がきました。この話をノーリフト®導入前の管理者研修会で紹介したときに一番どよめきが上がったそうです。

「介護をするなら高知で」と言われたい

下元代表は、介護の仕事をするのだったら「高知県で研修をするのが一番いいよ」

「高知で介護の仕事がしたい。介護をするなら高知」と言われるくらいの野望を持っています。今年8月からノーリフト®ケアを導入した施設の見学ツアーを計画していることが講演の中で紹介されました。徳島県からたくさん見学ツアーに参加できるように企画をしたいです。

※第2回愛媛ノーリフト®セミナーでの下元先生の講演資料より

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