自分も守り、仲間も守り、患者様も守る。これはプロとしての一つの考え方 ノーリフトⓇ基本技術セミナー(高知市9/5開催)参加報告
ノーリフトⓇ基本技術セミナー(高知市9/5開催)参加報告
徳島健生協労組 副執行委員長 介護福祉士 新居謙
2018年9月5日に高知市で開催されたノーリフトⓇセミナー基本技術セミナー(以下セミナー)に参加しましたので報告します。
研修会場はナチュラルハートフルケアネットワーク
(1)8月5日に徳島健生病院で開催したノーリフト連続セミナーで教わったこと
1)体位交換
2)ベッドからの起き上がり
3)スライディングボードを使用した移乗
4)スライディングシートを使用したベッド上で移動
私の部署は回復期リハビリ病棟で主に自宅や施設に退院することを目的としてリハビリに励んでいる患者様が入院しています。今現在、患者様の中にはスライディングボード(以下ボード)やスライディングシート(以下シート)の使用に適した患者様はいないので、残念ながらボードやシートの使用機会はありませんが、それ以外で習った体位交換の楽な方法やベッドから起き上がり動作の際には、非常に役立っています。
(2)今回(9/5)のノーリフトⓇ基本技術セミナーで習った内容
1)基本的な座学
2)基本姿勢の重要性
3)患者様の寝返り介助
4)ボードを使用した移乗介助方法
5)介助用リフトの使用方法
とりわけ基本姿勢の重要性は終始一貫して説明があり、原則として『支持基底面の範囲内で作業する』を徹底していました。上記にあったボードでの移乗介助ではもちろん、介助用リフトを使用する際でも基本姿勢の重要性を強調していました。
この基本姿勢の重要性を繰り返し教えることによって普段の日常生活の中でも基本姿勢が自然にとることができるようになるために教えているように考えます。
また『不良姿勢での作業は5秒まで』と教えてもらいました。厚生労働省の腰痛対策指針の中では不良姿勢で10秒続けて作業するのはNG、7秒がギリギリだそうです。それを踏まえてこのセミナーでは5秒までと指導しているそうです。
(3)今回(9/5)のセミナーで気づいたこと
1)中腰(不良姿勢)には常にならないことを意識する
2)基本姿勢での動作では自身の支持基底面の把握
3)自身の重心移動には脚の動きが重要(大腿部の筋力・膝の使い方)
4)ノーリフトの技術を使用していても患者様の残存能力の把握
上記のことが私の中で新しい発見でした。自分が普段の仕事でいかに不良姿勢のまま作業していたことを痛感しました。そして上半身だけ使い下肢をきちんと使用していなかったことを学びました。またボードやリフトを使用している場合でも患者様をよく観察し、患者様ができること、できないことをしっかりと把握することも大切であると教えてもらいました。
最後に私はこのセミナーに参加して移乗技術や福祉機器の使用方法の前にまずは介助者の身体を守ることが大切であると学びました。
研修のまとめで講師の方が「自分の身体を守れなければ患者様も守れません。」
また、「ノーリフトの考え方や技術を広めることは仲間の身体も守ることができます。」
自分も守り、仲間も守り、患者様も守る。これはプロとしての一つの考え方でもある」と言われました。
私はこの言葉の意味をもう一度よく考え、自分なりの答えを見つけ、周りの人たちにそれを伝える努力をしていきたいです。
それが今後の自分の職場の環境や介護現場の労働環境を変える力になると感じました。
※本来は9月4日・5日と基本技術セミナーの予定だったのですが、4日は台風の影響で中止となり5日のみの参加となっていました。4日のセミナー参加の報告ができずに申し訳ありませんでした。