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ノーリフトⓇ導入病棟見学「佐久総合病院」

ノーリフトⓇ導入病棟とテクノエイド支援室の見学 佐久総合病院(長野県佐久市)を6/18に訪問させていただきました。 受入れてくださった佐久総合病院の皆様に感謝を申し上げます。

見学案内をして下さったのは副看護部長の村上さんです。

お忙しい中お時間をとっていただき本当にありがとうございました。

(1)佐久総合病院の新築されたばかりの神経内科病棟見学(47床)

病室の天井にはノーリフトⓇ用のレールが組み込まれとてもすっきりしています。 天井走行用リフトの病室は、4人部屋が2つ、個室は1つ トイレは2つ、それぞれ天井走行用のレールが設置されています。 排泄ケアは重要です。

座位で前かがみなってしまう方の補助手すりが必要な時に直ぐに出てくるようになっています。

天井走行レールが無い病棟でリフトが必要な時は、15分程度で簡単に組み立て可能な「やぐら式の天井走行リフト」もあります。

介護施設で活躍している自走式のリフトをほぼ使っていないことには少し驚きました。 急性期病棟と療養型・介護施設との違いなのでしょうか。

神経内科病棟には病棟内にリハ訓練室がありました。 詰所から見える位置にある談話室の隣に手ごろなサイズの訓練室には天井走行レールとリフトが常設されています。 丁寧に説明をしていただき感謝です。

(2)「テクノエイド支援室」の専任スタッフ鈴木さんに感動

見学するなら「テクノエイド支援室がお勧め」ということで案内をしていただきました。 そこにいたのは女性スタッフの鈴木さん 鈴木さんは、スライディングシートのサイズ調整をしていたところでした。

🔴見慣れない「スライディンググローブ?」のようなものを発見

「どのように使うの??」と疑問が拡がる中・・・ それは優れものでした。

(私の右腕に紫色シートと白ストッキングを履いた写真)

弾性ストッキング(手術後の深部静脈血栓症の予防用)の装脱着介助は現場スタッフにとって、不良姿勢のままで腕力を擁する大変なケアです。

それを簡単で優しいケアにする「スライディングシート(グローブ?)」が開発されていました。 鈴木さんは、すごいアイデアwomanです。

鈴木さんは、定例化された院内テクノエイド委員会で「現場の困りごとや要望」をPT・OT・NSら専門職から聞き、体格や病状の違う患者さんやスタッフが使いやすいようサイズ調整をしたり、福祉用具や吊り具の改良や開発をしています。

何と表現したら良いのでしょう。。。

「暮らしの手帖」 「困ったときの鈴木さん」 というのが、私が感じた鈴木さんの印象です。

副看護部長さんは、「鈴木さんが居てくれるから本当に助かるんです」と何度も繰り返して言葉にしていました。

すごい信頼ですし、看護部のトップが来客者にそこまで紹介するのですから労働意欲はマックスに上がっていると思います。(私も副看護部長さんの姿勢を見習おうと思いました。)

🔴「テクノエイドとは?」 病気や事故、老化等により生じた身体機能・精神の障害で生じた生活上の不利益を解消する目的で用いる福祉用具・福祉機器等などを示しています。

(3)佐久総合病院のノーリフトⓇ導入は、海外研修先のデンマークで数名の研修からスタートし、新病院建て替えオープンに合わせた本格導入がプログラミングされていきました。

2700人の職員全員にノーリフトⓇ研修を実施し新人研修も入念に行っています。 すごい努力です。

それでもノーリフトⓇを定着させるには時間がかかったそうです。 「リフトを使いたくない」 「リフトは手間がかかる」と言うスタッフは何処の職場にも存在していました。 あきらめずに「リフト・シート・ボード・グローブ」などの道具は、使う場面に直ぐに取り出せるよう工夫をして、現場の要望を取り入れ改良を加えながら、ノーリフトⓇが習慣になるよう徹底しているということです。

今もその日々の努力は継続中で「研修と実践と振り返り」の重要性を感じました。

同時に、組織のトップの方針や考え方を伝える力、現場の意見を聞くシステム、意見を出しやすくする労働環境など、私たちが目指すべき「ノーリフトⓇの目的と理念」をしっかりと整えているところが一番見習うべきところだと思います。(正直に言ってここが一番の難関だと思います)

(4)ノーリフトⓇ導入の効果は絶大 患者さんの「立ち上がりたい」という要求

🔴自宅で天井走行リフトを使っている患者さんが入院され、入院期間中もリフトを使いたいとの要望もあったそうです。

🔴寝たきりだった患者さんが歩けるようになるまで機能回復した症例がでてきました。

🔴ALS: 筋萎縮性側索硬化症の身長180センチの患者さんは、人工呼吸器を装着した状態でも「立ち上がりたい」という要望がとても強い方でした。

困難を抱えた患者さんの「立ち上がりたい」を実現するためにリハスタッフの試行錯誤がスタートしました。それにテクノエイド支援室の鈴木さんが加わり、アイデアと開発力で実現することができました。

その手作りの「福祉用具」は、天井走行リフトと組み合わせる専用のリフトベルト(私が頭に装着しているもの)です。これは世界に1つしかない奇跡の歩行訓練用具だと思います。

ALS患者さんの歩行訓練時は、患者さんの頸部の筋力が弱っているため「前のめり」に頭が垂れ下がってしまいます。

それをリハスタッフが前後左右から手で支えていました。しかし、患者さんは身長180センチですからアクロバチックな歩行訓練となっていました。人工呼吸器の管理をしながらの訓練です。

患者さんの「立ち上がりたい」という強い希望 それを何とか実現したいという専門スタッフたち その訓練をサポートする専用の福祉用具を手作りできるマルチな技術者(鈴木さん)

「チーム医療」です。

感動しました。

🔴鈴木さんにお話を伺っているときに外来から「車イスが今すぐほしい」との電話が入りました。

鈴木さんは直ぐに理解し私が見たことがないタイプの「車イス」をチョイス。 直ぐに現場に届けました。

鈴木さんは、患者さんに直接、接することのない事務職員とのことですが、看護師やリハスタッフから絶大な信頼を得ていることが分かります。

(5)全国屈指の地域医療の担い手である佐久総合病院

全国屈指の地域医療の担い手である佐久総合病院には、優れた理念と実践、スタッフ同士の信頼から発展し、地域に信頼され、支持される病院・在宅医療介護を実現してきたのだと感じました。

今に至るまでは、病院が大きくなっていくうちに地域住民の暮らしが見えなくなった時期もあったそうです。

それは本院を建て替える前の10年間の時期と重なります。 役所の公務員や病院職員が建物(病院)の中だけで仕事していても地域の事は分からない。地域に出て住民に教えてもらうことが必要だということで、地域住民の総訪問行動を行いました。

土日の訪問活動を労働組合の活動としてやれたことがとても評判になり、労働組合が主体的に呼びかけたことで地域との信頼関係を深めていけたと言います。

佐久総合病院には職員が文化活動を大事にし、劇団部・応援部・各種スポーツ部・写真展や絵画展も開かれ様々な行事を通じて地域住民と結びついています。

住民の声を聴けば医療活動は楽しくなり、本院建て替え計画も手ごたえが出てきました。

「正しいこと」をやろうとしても全員がついていくのは難しい 楽しいことがなければ継続できません。

地域保健活動を活発にやっていること「予防は治療に勝ほどのものはない」 名言です。

(写真左端は、長野県医労連と長野県厚生連労組の執行委員長の茂原宗一さん)

長野県の3日間 第45回医療研究全国集会in長野(2018/6/17-18)

6月19日(月)の佐久総合病院ノーリフトⓇ見学は充実した長野での3日間となりました。

今回、病院見学を受け入れてくださり、丁寧に案内をしていただいた副看護部長の村上さんをはじめ、病棟師長さん、スタッフの皆様、ありがとうございました。

また、見学の橋渡しをしていただき、ご同行いただいた長野県医労連・長厚労の茂原執行委員長と佐久総合病院労組の小林執行委員長に心から感謝を申し上げます。 本当にありがとうございました。

徳島県医労連では、加盟組合のセンター病院が2019年度中に2つ新築オープンします。 まずは組織内で徳島県初のノーリフティングが本格的に導入した患者・家族・職員にもやさしい病院を誕生させられるように頑張ります。

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