講演動画特集「日本の医療崩壊をくい止める」~コロナ禍の医療現場からの警鐘と提言~ 本田宏医師9.5徳島講演///徳島県保健福祉部医療政策課「医師確保と養成方針等に関する徳島県の取り組み」
【講演】
「日本の医療崩壊をくい止める」~コロナ禍の医療現場からの警鐘と提言~
講師:講師 本田宏先生(外科医・NPO法人医療制度研究会副理事長)
【講演前半】1.日本の医療体制の現実 2.なぜ日本の医療が崩壊したのか
【講演後半】3.公立公的病院再編統合問題 4.医療再生の処方せん
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【ゲスト報告】動画
医師確保と養成方針等に関する徳島県の取り組み
廣瀬和久課長(徳島県保健福祉部医療政策課)
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徳島県医療政策課報告/医師確保と養成方針等に関する徳島県の取り組み
廣瀬和久課長(徳島県保健福祉部医療政策課)
9.5いのちまもる徳島県学習決起集会
2021年9月5日(日)開催報告
■本田宏先生の講演
医療提供体制は日本国内の数字を評価しても本質が隠され真実は見えないどころかミスリードを許しているのが現実。
グローバル評価の必要性を強調しました。
日本の医師数が人口10万人あたりOECD平均から13万人も少ない状況下にあります。
全国で医師が13万人も不足していると、感染症患者の治療の主力である集中治療専門医の比較ではドイツは人口8000万人に対し専門医が約8000人配置されているのに対し日本は1850人体制
全国の感染症指定医療機関400件のうち学会認定の感染症専門不在病院は256件も専門医が不在というありさま
パンデミック発生で日本の脆弱な医療体制が白昼さらされた中
何が起きているか
都立病院を独立行政法人化し効率性を求め不採算部門の切り捨て、赤字病院統合を強行したい都知事
政府は2023年度から医学部定員削減
1980年代比では、保健所「850件→469件へ」半減
感染症病床は「15,000床から1,800床」へ1/10(12%)へ大幅に減少
■医療再生の処方せん
日本社会の病魔「真実が曲げられる情報社会」←自分の力で真理を探究
自分の考えで物事を判断
真実は自分の目で確かめる
■■教育の在り方を見直す
京都大学生から受験生へのメッセージ
「偉い人の言うことがすべて正しいなんてあり得ない」
「偉い人は自分の立場を守るために平気で噓をつくし真実をもみ消そうとする」
だから人の言うことを安直に信じるのではなく自分の力で真理を探求し自分の考えで物事を判断してほしい
「真実は自分の目で確かめるものです。大学とはそういう場所だと思います。」
試験がんばってください。
このような京大生からのメッセージが書かれる社会背景は深刻
■日本の学校教育の問題
「考えない人間を5つの方法で生み出す」
①暗記を押し付けて「考えさせない」
②苦手を押し付けて「考えさせない」
③制服を押し付けて「考えさせない」
④規則を押し付けて「考えさせない」
⑤団体行動を押し付けて「考えさせない」
■多くの日本人の勘違い「覚える」と「考える」は別
学校の使命「4つの規格化」
①上司の命令に従う
②口答えをしない、させない
③言われたことを忠実に行う
④不満があっても黙々と働き集団生活を優先する
故・CWニコル氏
日本人のいいところは?
いっぱいありますけど
一番悪いところは
「いい人が黙るからとんでもない破壊が続く」
僕は日本のために戦います
悪いと思ったら言う
■ドイツの教育は「しゃべる」ことに小学校から重点をおく
発言の有無が成績につながるため、堂々と意見を表明することが「ごく普通」に身につく。
小学校で「抗議の方法から社会運動までの手順」を学ぶ機会もある。政治教育の背景にはナチス時代の反省があり、生徒が自由に発言し政治的に成熟できるよう、教員が生徒を圧倒しないこと。
実際の政治を授業で扱い、生徒が自由に関心や利害をもとに政治参加できる能力を習得させる。
■スウェーデンの教育は「学校選挙・模擬投票」を実施
実際の総選挙と同じ方法で、民主主義の本質を維持するため参加は任意で生徒が自分たちの手で学校選挙を開催することを通し、楽しく主体的に民主主義を学ぶ機会が与えられ、それが政治への高い感心へつながる理由の一つ
スウェーデンは過去50年間の国政選挙で投票率80%を下回ったことがありません。
■デンマーク人は「税金のムダ使いを許さない」
■フランス・パリの高校生が労働法案(労働時間延長)の反対デモに参加
■■■医療再生のキーワード
自分だけ幸せ
自分の家族だけ幸せ
自分の会社や地域だけ
自分の国だけ幸せ
それは可能ですか?
■日本人は「いい人が黙る」からとんでもない破壊が続く
コロナ禍で欧米より感染者数が少ない日本で
なぜ医療崩壊はおきているのか
医療費亡国論で30年間、医療費を抑制し続けてきた日本
病院経営はひっ迫し公立公的病院は軒並み大赤字
胃カメラの病院収入 日本11,400円
ドイツ37,666円
日本は公定価格でドイツの3分の1の報酬で病院経営はカツカツ
赤字病院がどんどん統廃合され、地域から公的医療機関が減少していく
一方、日本国内では製薬会社は高い薬(公定価格・薬価)を販売でき大儲け
コロナ禍の2021年6月の通常国会では
消費税を財源に 病床削減を行い
医学部定員削減をきめる日本政府
直近の国政選挙の投票率
日本(2019年参議院選挙)48.8%戦後2番目の低投票率
イギリス66%
フィンランド67%
ドイツ71%、
ノルウェー76%、
アイスランド85%、スウェーデン85%、デンマーク88%
日本の2009年総選挙は69.3%(政権交代)
普通の「いい人」たちが
社会と政治に関心をもって選挙に参加すること
これが、ひっ迫する日本の医療体制を再生する処方せん
本田先生からの医療再生のメッセージは、日本の民主主義を回復することにある。
普通に暮らす人々が社会の出来事に関心を持ち
自分の考えで物事を判断すること、これが日本の医療を再生するための処方せんと強く受け止めました。
本田先生ありがとうございましたm(__)m
■徳島県保健福祉部 医療政策課の廣瀬課長の報告で、日本一、人口比で医師数の多い徳島県でも外科医と産婦人科医は20年前より大きく減少。医師不足・地域遍在・診療遍在が課題です。医師の高齢化は深刻で、内科医では60歳以上が39%を占めています。
徳島県は臨床研修医・若手医師確保を最優先ですすめ、政府関係機関に対して、医学部定員の地域枠の削減阻止、感染症専門医や不足する診療科医の指定枠の採用を要望しています。
徳島県社会保障推進協議会が主催する学習会に徳島県から出席し、医療政策の報告を行っていただいたことは、これまでにない画期的なことです。
廣瀬課長、木邑副課長、ご多忙の中、丁寧な医師確保のとりくみと徳島県の課題の報告をいただき、最後までの集会参加に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました!
【集会アピールの行動提起】
①衆議院選挙予定候補者に「新いのち署名」の紹介議員承諾書へのサインを要請します。
②感染拡大中でも安全に発信可能なSNSを活用した宣伝活動をすすめます。
「日本、そして徳島県の医療崩壊をくい止める」これを一致点に、主義主張や立場の違いを乗り越えた県民と医療関係者、そして地方自治体と共同した取り組みを進めることを呼びかけました。
徳島県の民主主義を一歩も二歩も大きく前進させることができたのは、本日の「9.5いのちまもる徳島県集会」から始まったと、振り返ることができるような取り組みを行っていきたいと決意した一日になりました。
ご参加いただいた徳島県のみなさま、全国の方々に感謝します。
ありがとうございました!
おわりに
【9.5いのちまもる徳島県学習決起集会の趣旨説明】
① 医師看護師増員・医療提供体制の充実を求める国会請願署名・通称「いのち署名」を審議もせず事実上の廃案にしたのは許し難いものです。
② 「いのち署名」は署名運動が困難なコロナ禍でも65万筆を国会へ提出し徳島県では例年の医師看護師増員署名の2.5倍を集めました。
③ 特筆すべきは、徳島県内12市町議会で意見書を採択し、徳島県議会では、国立病院機能充実の意見書を全会一致で可決させ、医師看護師増員、医療機能充実の民意を示し続けてきたことです。
④ しかし、現政権は徳島県民の民意と正反対の「病床削減」「医師・看護師養成数配置数削減」医師の違法な長時間労働を合法化するための法案を先の通常国会で強行しました。これは暴挙です。
⑤ 本日9月5日は、全国の仲間と連帯する統一行動です。医療崩壊の渦中に医師削減・病床削減を強行する世界でも類を見ない異常な政治を絶対に許さず、大転換を求める決起集会として位置付けます。
⑥本日のテーマは「医師削減NO・医師確保」「日本の医療崩壊をくい止める」こと。
これを一致点に、主義主張、立場の違いを乗り越えて、住民主役、医療関係者と地方自治体の共同の力で大運動をスタートさせたいと考えています。
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