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執筆者の写真井上 純

徳島県医労連「新型コロナ感染防止対策・医療崩壊防止」で政策提言/県へ要望

徳島県「公立公的病院再編・縮小」事実上転換

「コロナ禍」の下、危機事象での公立公的病院の役割を土台から見直す



徳島労連・県医労連・働くものの命と健康を守る徳島県センターは、県知事に対し「新型コロナウイルス感染拡大防止」に関する要請を5月15日に行いました。要請では、鳴門病院労組の小島書記長、健生協労組の達田副委員長らがコロナ禍での現場実態と医療従事者と医療機関への支援を訴えました。県医労連は、感染症が大流行する秋冬シーズンに向けて「検査体制の抜本強化」「公立公的病院の縮小再編中止」「医師・看護師の大幅増員」を訴えました。県からは、衛生材料の調達と増産体制の強化や物品配布、PCR検査体制強化、軽症・無症状者を隔離する民間施設借り上げ契約、医療従事者に対する偏見防止を呼びかける知事会見の実施、公立公的病院の役割を土台から見直すなどの回答を得ました。





新型コロナ感染対策には「医療提供体制の充実」が必要

徳島県は「病床削減と病院統廃合」「医師・看護師数削減」を柱にした地域医療構想を作成し、医療費への公費支出を抑制したい政府・厚労省方針を前のめりですすめてきました。その県が既定路線を変更し「新型コロナ感染症拡大の事態を受け、感染症拡大や災害発生時等の危機事象における公立公的病院の役割について、これまでの議論を土台から見直すよう国に対して強く求めていきたい」と回答したことは画期的です。





県医労連の新型コロナ感染対策/医療介護従事者への差別的言動の聞き取り調査

 

 新型コロナは、2020-21年の秋冬シーズンでは、インフルエンザと同時発生し、新たな猛威を振るうことが予測されています。この状況下で医療介護職員が、「感染症拡大」に伴って、業務を離れた私生活で差別を受けるようなことがあってはならないことして、県医労連は実態調査を実施しました。

 コロナ禍の下で病院職員とその家族が「保育園や学童保育での預かり拒否」「同居家族の勤務先から自宅待機命令」「看護師のビジネスホテル宿泊拒否」や嫌がらせの言動が浴びせられていることが判明しています。医療従事者の苦悩や実害を可視化し、差別が発生する原因解明と根源を除去しなければ差別はなくなりません。







医療従事者に対する差別言動の原因と対策① 

検査体制の拡充で陽性者の判別「隔離と人権擁護」

 

 誰が感染しているのか、分からない社会環境が改善されないままでは、不安は増幅し、疑心暗鬼となった市民による差別的言動は絶対に無くなりません。これは「差別」とは言い切れず、自分や家族を守るための「自己防衛」の側面を持っているからです。この状況を解決するには、徹底した検査拡充で陽性者を判別し隔離することが最も有効です。PCR検査は、医療機関や医師が必要と判断した場合はもちろんのこと、医療・介護・教育・保育・公務員やサービス業なども含めて、社会活動を維持するためには、人との接触を避けられない方々が検査を希望した場合など、速やかに検査が行われるべきです。そして、患者の人権を守る啓もう活動を同時に進めることで市民の不安は軽減できるはずです。ワクチンや治療法が確立されるまでの間、国民不安を取り除く責任は政府と自治体にあります。





差別の原因と対策② 

県知事の病院名公表が医療従事者差別の原因


 差別は、行政や報道機関によって公表される病院名や患者情報(居住地や年齢、感染ルート)などが、センセーショナルな記事とともにSNSで拡散され、一般市民が冷静な思考を失い発生しています。発熱外来を積極的に行っている医療機関で感染者が発生するのは当然のことであり、病院名や患者情報を公表する必要性はありません。県医労連の聞き取り調査では、県知事発表とマスコミ報道の直後から健生病院職員と家族・患者への差別が集中していることが分かっています。一方で、健生病院以外の陽性患者を受け入れている医療機関の職員への差別的言動は、今回の聞き取り調査でまったくありません。徳島県内での医療従事者への差別の引き金が、県知事発表とマスコミ報道にあることは否定できない事実となっています。この事実を認識し、情報公開と報道の在り方にルールが必要です。

 

 県知事や医師会会長が「医療従事者への差別をやめてください」と共同声明を発信し、多くの自治体関係者、著名人や人気スポーツ選手も「医療従事者へ感謝」を表明していますがこれでは根本的な解決にはなりません。それは病院に勤務時だけであり、医療従事者が私生活に戻れば、「自己防衛の差別」にさらされています。



※訂正:小島書記長は鳴門病院のマスクは充足しいるが、急がない手術を延期しているにも関わらずオペ用ガウンが不足していることを訴えました。この部分の徳島新聞記事は誤りであり訂正記事の掲載を依頼しています。


働くものの命と健康を守る徳島センターの堀金博理事長(弁護士)は、「行動自粛を求めることも大切だがPCR検査を早く受けられる体制を整えること。治療の観点だけで感染疑い者だけを検査対象とするのではなく、無症状の方も含めて検査数を増やし市中感染の広がりを正確に把握することが市民の不安に応える感染対策に結び付く」とを検査体制の強化を要望しました。

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